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私刑と正義について [その他]

いじめや事件の加害者とされる人や、その家族等に対する、インターネット上などの私刑。
この手の〚正義感〛が個人的にどうにもやりきれない。

いじめられて自殺に追い込まれた方や被害者を悼む気持ちは分かる。
いじめをした人や加害者を憎む気持ちも分かる。
今後いじめや事件が起こらないようにと願う気持ちも分かる。
そういった思いを他人と共有したい気持ちだって、理解できる。

ただね、そこから、「正義の味方たる俺が悪い加害者とその関係者を罰さなきゃ!」という
行動が、どうしても導き出せないんだよな。

しかもネット上で。しかも匿名で。
しかも、「死ね」や「クズ」とか言った、正義の味方にふさわしくない言動で。

ちょっと突飛な言い方だけど、他人をいじめている人で、自分を悪の権化とみなしている人は
ほとんどいなくて、きっと正義の味方だと自己認識している場合が多いと思うんだよ。

だから、自分が正義の立場にいると思ったときは危ない。
その思いに基づく行動には、自分が、新たな加害者となっている可能性がある。
だから、言動にブレーキをかけた方がよいと自分としては思っている。

そして、いじめなどをを憎むんであれば、メディアで取り上げられた事件に憤りを感じて知らない
誰かを罰するよりも、自分が身の周りの誰かをいじめていないかどうかを反省したり、
自分の周りで苛められている人にどうにか手を差し伸べてあげたりする方が、
よっぽど救いが多いんじゃないかと思うわけで。

他人を断罪して正義に酔うのは、酒に酔うのと同じくらい迷惑なことだってある。

どうしても知らない誰かを罰したいのであれば、正々堂々と名前を名乗って責任を取れる
ようにするのが、正義の味方のせめてもの矜恃ではないかと、やはり個人的には思って
しまうのである。

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