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短歌、俳句、2023年春~2023年夏(3月~7月中旬くらい) [その他]

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一夜明け裂けた額の傷口が鈍く疼いて生きてるを知る

店々の帳は落ちて題経寺ふりさけ見れば柴又の月

白木蓮朽ちて涙のぽたりかな

人は失せ闇に溶けるや桜花

花落つる闇に雨音夢花見

散る桜見送り一つ老い支度

友が皆我より偉く見ゆる日よ花を愛でては一献の酒

風に舞い闇に溶けるや花骸

花曇り涙まとうや夢骸

呪えども仇長らえて巡る春

菖蒲にて喉を掻き切る夢に汗

新宿が雨に煙れば立ち込めるすえた臭いの憩いに惑う

連休の逝くを悼めば雨の街

明日知れぬ身に蓴菜の清しさよ

酔い闇を霹靂断ちて訃報かな

すえた部屋独り啜るはところてん辛子まぶせば涙まぎれて

麺茹でる湯気に故郷の蜃気楼

梅雨の晴れ間の夕暮れが心地よく駅のホームに飛ぶのを止めた

這い回る蛆かとまごう汗滲む夜を呪えど憎む夜明けは

夏戦爆ぜ散らかすや街も人も

玉まとう濡れ紫陽花のなまめかし

望み無き日々を煽るや蝉の声

咳独り競うがごとき蝉の声




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