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メタフィクションと混沌~『第三世界の長井』~ [読書]

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かつてゲッサンで不定期連載され、そのたびに立ち読みしていた、『第三世界の長井』の1~4巻を改めて読んでみた。

帯に「ながいけん上級編」とあり、ながいけん閣下の代表作にして個人的には少年ギャグマンガの金字塔だと思っている『神聖モテモテ王国』(愛称:キムタク)のグルーピーで秘密マンションの秘密を暴きたい我が身としては、まとめ読みの期待180%(約二回期待する計算)。

で、だ。

むむむ(横山光輝三国志風に)。。。

立ち読みで読んでよく判らなかったのが、まとめ読みで、なおさらメダパニル感じ。

いや、確かに面白いのだよ?

キムタク以来のエッジの効いたパロディや、当時の時事ネタ(「シンゴー」)、無駄なポエム、何の脈絡なく中年男性の写真(主人公の父親)が登場するなど。なんか絵もうまくなった気がするし。個人的には、マッハエースの狂人ぶりの味わいが好きだし。

正直、これよりつまらない漫画は、世の中に、大量に流通している。

ただ、なんというか、読み返すたびに、「痛ましさ」や「苦悩」という、ギャグ漫画らしからぬフレーズが浮かぶ。推測に過ぎないが、おそらく、ながいけん閣下は、キムタク的な世界に対する、メタレベルでの説明を漫画の中で完結させようとして、収拾がつかなくなっている。

その傾向は、実はキムタク末期の当時からあったのであるが。

「こんなこと描いて、わかってくれるだろうか?」

そんな読者への不信に似た感情が透けてしまう気がする。説明なんか全くなくても、読者は読者で勝手におもしろがるのだが。

その辺りの潔さが、例えば、たぶん長尾謙一郎さんにはあるのかもしれない。そこにあるのは、ギャグマンガとメタフィクションと、そして混沌であり、漫画を読んであまり感じない気持ちになったので、備忘までに。

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