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2021年9月上旬、自民党総裁選前の戯言 [政治]

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菅総理大臣が自民党総裁選への不出馬を表明し、任期満了での退任が決定した。

新型コロナウイルス対応におけるワクチン普及や、東京オリンピック・パラリンピックの大過ない開催、デジタル庁設立、福島第一原発処理水の海洋放出決定、アフガニスタンへの邦人脱出のための自衛隊派遣など、一つ一つの課題に真正面から取り組み、結論を出し、対応をしたと思う。

ただ、いかんせん俯瞰的に発信する力、わかってもらおうとする努力が政権として弱かったのか、コロナウイルス対応を中心に後手後手のイメージが最後まで払拭できず、支持率を回復させることはできなかった。官房長官として歴代最長の在任期間を誇り、辣腕を振るった菅氏も、総理大臣としてはそうはいかなかった。

菅内閣については諸々の評価はあろうが、個人的には、辞任した安倍前総理の残り一年の任期の中継ぎとして、十二分にその職責を果たしたと思う。衆院選で勝って自前の内閣を作れなかったのは心残りだろうが、それは仕方あるまい。これを書いている時点ではまだ総理在任中ではあるが、とりあえず、おつかれさまでした、に尽きる。

で、自民党総裁選である。

岸田文雄前政調会長、高市早苗元総務大臣が出馬を表明し、そこに河野太郎行革・規制改革担当大臣も加わり、三つ巴の様相を呈してきた。三氏の言動が日々報道されているが、あまり細かく追えてないので、雑感を書き連ねる。

自民党総裁≒内閣総理大臣に求めるものとしては、現在、短期中期の課題含め、大きく四つだと思う。

一つ、新型コロナウイルス対策
二つ、日本の経済成長の実現
三つ、米中開戦リスクへの対応
四つ、政策を継続できる体制づくり

これらをうまく実現できるのは誰だろうか。

例えば、河野太郎氏は、菅内閣において、公務員の労働条件改善やワクチン普及で、国民にもわかりやすくその腕を振るった。安倍内閣時代の外相、防衛相としての評価も決して低くない。その意味で国民的人気も高い。特定の政策課題に答えをきちんと出す能力は稀有だと思う。一方で、党内での支持基盤が必ずしも強くなく、Twitterでのブロックなど、その言動には批判も多い。

高市早苗氏、現在でも一部に総理再登板への待望論すらある安倍晋三氏の支持を得た点は、少なくないアドバンテージだと思う。ネーミングはさておき「サナエノミクス」など経済重視を主張していること、総務大臣歴が長く、IT産業に詳しいのもよい。ただ、これまで総裁選で名前が出てこなかったことで、政権獲得後に向けた準備をどれだけしてきたのかは未知数だ。

岸田文雄氏は、古くは池田勇人総理につながる名門派閥、宏池会の領袖。外務大臣、党政調会長等の要職を無難にこなし、一定の能力は折り紙付きだ。安倍政権時代から総理総裁候補と名が挙がるも、終始無難な言動からか、どうも、もやっとして目立たない。ただ、今回は「令和版所得倍増」を主張するなど、やはり経済で推そうとしており、目に見えて発信も増えている。

現時点での個人的好みとしては、宏池会という固い自前の支持基盤のある岸田氏が総理総裁になって全体をカバーしつつ、高市氏には経済財政担当相として経済成長の司令塔を担わせる。河野氏の処遇は難しいが、将来を見越すなら官房長官か党政調会長。ここ1~2年の話なら、現在の行革・規制改革相に加え、発信力を生かし、現在西村氏が担っているコロナ対策担当相を兼務させたい。

ともあれ、岸田氏、高市氏、河野氏ともに、現在において、それなりに実力と実績のある政治家であるのは間違いないし、そういう政治家が野心をもって競い合うのは基本的にはよろしいことだと思う。

さて、そもそも10年前、岸田氏、高市氏、河野氏の三氏が総理総裁を巡って争うなど、あまり想像できなかったのではなかろうか。こうした、立憲民主党や共産党と比べた人材の新陳代謝が、良くも悪くも自民党の強みかもしれない。

まあ、僕自身は自民党員では無いので総裁選に関与できるわけではないが、衆議院議員選挙を控えた一有権者として、だらだらその推移を見守りたいと思うのである。




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