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フィクション協力、心構えのような何か [その他]

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これまで、小説や漫画、アニメなどのフィクションで作品協力をしたことが何度かある。また、作品の公開までには至っていないものの、企画への協力やアイデア出しなどをさせてもらったことも何度かある。

昔の勤務先での知見の提供と、そこを起点とした各種調査やアイデア出し、ちょっとした資料作成など。その勤務先を離れて10年以上経つのに、たまにお話をいただくということは、それなりに役に立てているのだろうとは思う。

でも正直、同じ業界の出身者ならば、僕よりも知見や経験が深い人はごまんといるはずだ。SNSなどを探せば、匿名で、「元〇〇」のような肩書で動いている人もちらほらと見つかる。彼らでなく僕に目を付けてくださった関係者の方々には、感謝しかない。

そんな気持ちにできるだけ応えたいと思うのは、やはり人情だろうか。そんなわけで、自分なりのちょっとした心構えについて書こうと思う。

まず、自分の経験を、できるだけ真摯に反芻して、思い出しておくこと。一つ一つの現場なりやり取りなりで、当時の気温、天気、人々の服装、言葉遣い、息遣いなどなど。

次に、そうは言っても人事なり制度なりの最新の情報を、ニュースやら何やらで追っかけるクセを持つこと。本当は、仲良しだった人に聞ければ一番いいんだが、キレイな辞め方をしていないので、それはそれで先方にも迷惑だろう。

そして、自分が協力を求められている分野以外にも、ぼちぼちアンテナを張っておくこと。個人的な趣味だが、政治、経済、歴史に加え、小説、マンガなんかも結構好きで、それなりに本を買っては読んでいる。ストーリーの筋や、会話の修正の提案なんかでも割と役立つんである。

他にあるとすれば、自分はあくまで黒子であることの自覚だろう。もちろん、人間だもの、有名作品に名前が出れば嬉しいが、あくまで主役は作品である。監修と言おうが協力と言おうが、所詮はフィクションを面白くするためのスパイスでしかない。そういったものが無くても面白い作品はたくさんある。

逆に言えば、多少事実と異なっても、読者や視聴者が、ありえなくもない、くらいに思ってくれるレベルに持ってくれば万々歳。いくら自分の知識や経験と違うからと言ってそこをごり押しすることは無いように心がけているし、こだわるならフィクションと両立するように知恵を絞るのである。だから、自分の作業のことを、できるだけ監修とは言わず、協力と言うようにしている。

僕をフィクション協力の道に誘ってくれたT氏、行きつけのバーで会わなくなってから、しばらく経つ。たぶんご存命だとは思うが、いつの間にか連絡を取り合うことも稀になってしまった。でも、彼が紡いでくれた縁は、細々かもしれないが、僕の生きる気持ちを今なお支えてくれているのである。



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