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好きな競走馬、マヤノトップガン [競馬・ウマ娘]

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ウマ娘かわいいな、そんなことを思う昨今。

競馬をきちんと見なくなってもうずいぶん経つが、それなりに記憶には残っている。主に、90年代から2000年代。95年から2005年の年度代表馬だけでも、

・マヤノトップガン
・サクラローレル
・エアグルーヴ
・タイキシャトル
・エルコンドルパサー
・テイエムオペラオー
・ジャングルポケット
・シンボリクリスエス(02年、03年)
・ゼンノロブロイ
・ディープインパクト

と多士済々。そのほかの有名どころを上げたらキリがない。

どの馬もそれなりに思い入れがあるが、あえて一頭挙げるとすれば、今はなんとなく、マヤノトップガンの気分だ。競争成績21戦8勝、うちG1レース4勝。95年の年度代表馬。数字だけ見てもまごうことなき一流馬である。

勝ち方も、バラエティに富んで素晴らしかった。先行から抜け出して勝った菊花賞や宝塚記念、逃げ切った有馬記念、そして、後方から直線一気の追い込みを決めた天皇賞春。2着に負けはしたが、ナリタブライアンと叩き合った阪神大賞典も印象深い。

そして言わずもがなだが、主戦騎手の田原成貴がまたよい。菊花賞や有馬記念勝利時の十字を切るポーズといい、騎乗技術はもちろんのこと、勝負とギャンブルとエンターテインメントという、競馬の本質を鷲掴みにして魅せたその姿は天才だと思う。引退後の暴力事件や薬物事件があったとしても、目を奪われたレースの記憶は消せやしない。

さて、マヤノトップガンの一連のレースから感じたのは、一流の競走馬の才能と、競馬の不確実性を埋めていく人間の営々たる試行錯誤だ。

勝ち上がりや出世には苦労したものの、95年、終わってみれば菊花賞と有馬記念に勝利し、年度代表馬の栄冠に輝いたたマヤノトップガン。96年にも同様の活躍を期待されたが、どうも伸び悩む。春先の阪神大賞典こそナリタブライアンとのたたき合いで盛り上がったが、天皇賞春はサクラローレルに完敗し、ブライアンはおろか格下の馬にも先着を許す5着。

宝塚記念を危なげなく勝利するも、ここは相手が弱かった。秋緒戦のオールカマーもサクラローレルに完敗。続く天皇賞秋はサクラローレルにこそ先着するも2着。連覇が期待された有馬記念も、いいところなく7着。

田原成貴氏のエッセーによれば、4歳時(95年)と異なり、トップガンはスタートの瞬発力が鈍くなっていたこと、また背中の筋肉が少し固くなって伸びが悪くなっており、やはり先行型の競馬に限界を感じていた旨が確か書かれていたと思う。年齢を重ね変化するトップガンを勝たせるためにどうするかを考え続け、そして成果が出なかったのが96年だったのだろう。

そして97年。

天皇賞春を目標に、ステップレースにすえた阪神大賞典。トップガンはスタートから下がり、最後方から競馬を進める。逃げ、先行で勝ってきたトップガンを見慣れた目からすれば、その騎乗は暴挙に近い。ハラハラしながら見守るうちに直線に入るころには先頭に立ち、あとはそのまま押し切った。終わってみれば強さが際立つレースだった。

そして天皇賞春。昨年の勝者にして96年の年度代表馬サクラローレル、そして充実一途のマーベラスサンデーとの三強対決。さすがに阪神大賞典と比べればメンバーのレベルが段違いだ。ここでも、トップガンは中段やや後ろの待機策に出る。

道中、各馬入れ替わりながらも、トップガンは後方待機のまま。

京都コースの坂を下り直線に入るころ、サクラローレルとマーベラスサンデーが並んで前に出る。トップガンは後方から外へ。直線、馬場の中央で他の馬を置き去りにしてたたき合うローレルとマーベラス。モニター画面右下の端から文字通りぶっ飛んでくるトップガン。勢いの次元が違う。なんだこれは。熾烈に追い合う二頭をぐいと抜き去り一馬身強離したところがゴール。3分14秒4。マヤノトップガン、レコードタイムでの完勝だった。

それは、馬の才能や能力と人間の試行錯誤が結実し、幸運を引き寄せた瞬間。

結局マヤノトップガンは、このレースを最後に競走馬生活を引退する。

まるで能力だけで勝ったかのような95年、苦悩を続けた96年、そして、レコードタイムでライバルを完封した97年天皇賞春。

馬の能力もあろう、騎手の騎乗もあろう、陣営の体調管理もあろう、チームでの作戦もあろう、前のレースでのPDCAもあろう、他のライバル馬や騎手の作戦の読み合いもあろう、そういった競馬にかかるあらゆる要素を、つまり、馬と人間の営為と運を、トップガンの競走馬生活は余すところなく見せてくれたような気がするのである。

おそらく、マヤノトップガンに限らず、あらゆる競走馬とそれに携わる人々が、このような勝負とエンターテインメントの瀬戸際で日々生きているに違いない。それを一つ一つ見ていくには、余りにも濃密に過ぎるけど、こうして思い出すにつれ、たまには競馬をちゃんと見てもいいなと思う今日この頃なんである。

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