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墨絵、移転後、宝石箱 [新宿]

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先日、久しぶりに新宿の墨絵で食事をしたのである。

メトロ食堂街にあった墨絵が、その改築に伴い、2年程前、新宿センタービルに移転したのは聞いていた。メトロ食堂街にあったとき何回か食べに行き、その可憐な料理に舌鼓を打った記憶があるが、移転後すっかりご無沙汰していた。

店内も料理もすべからくお洒落なイメージがあり、背脂ラーメンともつ煮込みを愛好する中年男性として、訪ねるのを躊躇していたのは間違いない。でも、たまにはそういう飯も食いたいではないか。後日、異性を連れてくることもないわけではなかろうし。

そんなわけで、ちょっとだけ意を決して新店に行くと、メトロ食堂街のときよりも、二回りほど小さくなった感じ。でも飾られている花や壁の装飾の雰囲気はそのままだ。やはり、なんかこそばゆい。ディナータイムの早めの時間だったせいか、客は少なく、マダム二人が差し向かいで食事をしているのを横目に。

とりあえず山梨の白ワインをデカンタで頼む。軽く、ほんのり蜂蜜のような香りがして、悪くない。一心地つく。で、メニューを決める。前菜二種とメイン一種、それとデザートが選べるコースで。

そうこうするうちに、まずパンとバターが出てくる。最初はシンプルなバケット。これがまずイケる。小麦粉が香ばしく、バターと合う。瞬く間にパンを食べ終わると、パンのおかわりを促される。望むところだ。クルミ入りやオレンジ入りなど、6種類くらいのパンから選ぶ。イチジクを練りこんだやつと、玉ねぎを練りこんだやつの二種類が好みで、それを頼む。やはり墨絵のパンはステキだ。

パンとワインをたしなんでいると今度は前菜。

 ・チーズと豆とキャベツマリネ(シュークルート風)のグラスサラダ
 ・本日のポタージュ(ごぼう)

の二種。サラダは、柔らかいチーズところりとした豆とジャキジャキしたキャベツマリネの食感が楽しい。ポタージュは、クリーミーながら、確たるごぼうの存在感が印象的だ。

前菜を食い、パンとワインのおかわりを考えているうちに、メインディッシュが登場。

 ・しろみのポワレ 彩り野菜とパプリカソース
  魚介ムースのサラダ仕立て 黒オリーブ・アンチョビのタプナードソース

白身魚に野菜の色どりが映え、見た目にワクワクする。もちろん、食ったときの魚と野菜の風味が折り重なって広がる感じは得も言われぬ。ムースは、ほんわかとした温かみのある味で、酸味とコクのある黒っぽいソースでぎゅいっと引き締まる。

前菜とメインを食らい、そしてパンをおかわりするうちに、すっかり腹は満ちる。ここでデザートだ。

 ・クレームブリュレとはちみつローズマリーアイス

ふだんスイーツはほぼほぼ食べないが、コース料理のデザートは食わなければ漢がすたる。甘いものも嫌いではない。表面やや硬い薄いカラメルが乗ったブリュレは、パリフワの感触に玉子の甘さが香る。ひんやりとしたアイスは、食事の最後を飾るのによい。

これに、食後のホットコーヒーで一息。ふう。食った。

久しぶりの墨絵往訪だったが、最初の気恥ずかしさはどこへやら、結局、きっちりと飲んで食い、そして楽しんでしまった。万事が小綺麗で、そして可愛げのある、でもしっかり満足できる、宝石箱のような料理。こういう料理屋がきちんと残る新宿であってほしい、そう願った次第である。


≪東京・新宿 レストラン墨繪(すみのえ)≫
https://www.suminoe.in/%E3%81%8A%E9%A3%9F%E4%BA%8B-%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3/



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