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The Persistence of Memory [日常]

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お金もやる気もなく寝っ転がって、天井を見ているあるオフの昼下がり。見慣れたはずの部屋の本棚、過去に行った美術展の図録が目に留まる。

いろいろある中手に取ってみたのは、MoMA(ニューヨーク近代美術館)展のやつ。2001年の秋から2002年の年明けくらいまで、上野の森美術館にきていたのですな。

ダリ、マティス、ミロ、ピカソ、マグリット、ルソー、モディリアーニ、モンドリアン、セザンヌ、シャガールetc・・・

絢爛なビッグネームの作品が一堂に会して、それぞれが、自己主張していたのを鮮明に覚えている。

そういえば、2009年10月。

ニューヨークの海外出張で空いた時間、MoMAに足を運び、彼らとの久闊を叙したこともあったっけ。キャンバスの絵の具のかたまり達は、お変わりなく、年を取ることもなく超然としておられまして。お変わりの無い彼らと比べた我が身の変転を、少しだけ、恨めしくも思わないでもなかった。

そして時は流れ、2021年、2月。

不惑をとうに過ぎ老いの足音が聞こえてくるにもかかわらず、生活の建て直しに汲々とあがき続ける自分に嫌気がさす午後。図録の中の彼らは、印刷インクの向こうから、変わらぬ姿を脳に送り込んで、記憶を攪拌してくれる。

すると、

『記憶の固執』

ダリ。MoMAで一番お気に入りの絵とその題名が、まざまざと、脳内に浮かび上がってくる。だらり垂れ下がった時計、そして時そのもの。自分は何の記憶に、どう固執しているのだろうか。自問するが当然答えは見つからない。

こうしている間にも時は流れ、また少し死に近づく。でも、まだ生きているのである。

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