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24時間営業、玉蘭、羊肉のスープ [新宿]

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コロナ禍かどうか知らんが、勝手知ったる新宿の飲食店が軒並み閉店の知らせで寂しい思いをする中、頑なに24時間営業を貫きとおしている店もある。歌舞伎町の中華料理屋、玉蘭である。

以前は新宿区役所のすぐ裏にあり、とても分かりやすい立地だった。店頭では常に肉まんの蒸し器が湯気を上げ、入り口傍の席では野菜を刻んだり仕込みをしていたりと、妙に生活感があるところも味があった。また、500円のランチがあり、炒め物のおかず、ごはん、スープに肉まんが付き、結構リーズナブルだったので愛用していたものである。

数年ほど前、歌舞伎町のやや奥の方に移転し、大きく、小ぎれいになった。移転もありコロナ禍もあり、若干足が遠のいていたが、思い出したころにちょいちょい顔を出してはいる。

餃子やチャーハン、麺類、炒め物など、一通りそろってはいるものの、個人的には、少し酸味のきいた白菜の漬物と肉の炒め物だとか、肉まん付の羊肉のスープとか、玉蘭でしかあまりお目に係れないような代物が好みである。

例えば深夜、やや酒を飲んで胃や食道が荒れているようなとき。とはいえ小腹が空いてなにかは入れたい。そんな思いに、羊肉のスープと肉まんはほどよく応えてくれる。

胡椒と羊肉の香りが漂う半透明の汁。すくって飲むと、程よい塩味と羊肉のコク。具は細かく刻んだ羊肉と春雨。肉を噛み春雨を啜り、汁を飲むうちに、滋味が胃腸に滲みる。そこで登場するのが肉まんだ。

肉まん単体でももちろん良い。湯気立つ大ぶりの白い塊にかぶりつくと、ボリュームのあるふかふかの皮、餡の肉汁が滲みてしっとりとした皮の内側、そしてみっちりとしたひき肉の餡。ハフハフと食らえば、たいそう美味い。その肉まんの皮を一ちぎりして、羊肉のスープに浸して食うのである。

汁の羊肉の旨味と餡のひき肉の旨味を存分に吸ってちょいとほとびた肉まんの皮を頬張れば、ジューシーで素晴らしい。いつの間にか、疲れていたはずの胃腸が食欲に刺激され、肉まんとスープを堪能していることに驚かされる。味覚の快楽を伴う咀嚼と嚥下を繰り返しているうちに、目の前には空の器が並んでいる。

そんな玉蘭、歌舞伎町の出前よりも、店に行って食べたいのは否めない。昼のランチや、飲みあけで締めの朝もよいが、やはり深夜の歌舞伎町のホテル街を通り抜けていくところに、趣深さを感じる今日この頃なんである。

<食べログ:北京料理 玉蘭>
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13194625/




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