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不貞寝考 [日常]

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何もする気力が起きないとき、消極的な選択肢ではあるが、不貞寝せざるを得ない。

むろん不貞寝すらも安住とは言えず、機関銃で撃たれる妄想を枕に、夏でもエアコンをガンガンにかけ、布団に包まって転がり、時間の経過と事後直面することになる現実に歯を打ち鳴らす。

不貞寝をさらに苦しくしてくれるのが、寝汗である。自分の身体の各所の毛穴から、一粒、また一粒と、汗がせりあがってくる。特に頬の辺りは、次から次へと虫でも這い出てくるかのような感触であり、ときに手近な布を手にとって滅茶苦茶に顔をこする。

シャワーでも浴びたかのように全身が濡れそぼつが、包まる布団から抜け出ることはできない。己の汗の冷たさの責めさいなまれつつ、ただただ動けない。

時間だけが気になる。不貞寝時の時間は、ときにゆっくりと流れ、ときに加速する。共通するのは、どちらも心休まらないことだ。硬く瞑った目をときおり開くと、ほぼ一時間が経過している。起床予定時刻まで、ほぼ一定感覚で時間を確認し、薄っぺらい安心と手ごたえのある焦燥を往復する。

起床は、絶望だ。

こうして書くと不貞寝はたいして良いものではないと判るのだが、不貞寝しかすることができないくらいに気分が落ちていることは割と頻繁にあるのであり、もうどうしようもない。

こうして、無為の時は過ぎ、老いに背中を叩かれる。

はてさてどうしたものか。



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