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夏は夜、ところてんはさらなり [食べ物系]

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暑い日の夕暮れ時から夜にかけ、夕飯にはまだ早いけど小腹がすく、
そんなときに思い出すのがところてんなんである。

ところてん自体、大して味があるわけでも無いが、
のどごしのよい麺のような食感に、ほのかに海藻のにおい。

ひんやりとしたところてんに、酢醤油の鮮やかさと辛子の刺激を混ぜれば、
すする一口に、何ともいえない涼感がただよう。

美味いとか不味いじゃない、舌と喉と胃袋から全身に伝わる、感覚。

地域によっては黒蜜で食うところもあるようだが、食わず嫌いとして敬遠。
やはりところてんは酢醤油と辛子に限ると思いたい。

子どもの頃にもところてんを食べたはずなのだが、どうも記憶に無い。
記憶には無いが、なぜか、ところてんは夏の夕暮れの縁側が似合う、
そんな景色が刷り込まれているような気がする。

同じ縁側なら、ところてんに加え、キンキンに冷やした日本酒があると、
なおよい。あまり時間をかけず、ところてんをすすり、軽く引っ掛ける
といった感じが愉しい。遠くから、花火の音でも聞こえれば最高だ。

そんな愉快な妄想を抱きながら寝床の染みと化しつつある己の人生に、
一抹の涼感が訪れることを祈りつつ。

ところてん
すすれば涼し
夏の夜の
夢は花火と
失せにけるかな



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