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『ドラゴンクエスト』~鳥山明先生、どうか安らかに。。。~ [その他]

鳥山明氏が亡くなった。

『ドラゴンボール』はじめ数々のマンガの名作で、日本のみならず海外でも知られた鳥山氏だが、自分としては、1986年発売のファミコンゲーム、『ドラゴンクエスト』のキャラクターデザインが、今でも心に刻まれている。

スライム、ドラキー、ゴースト、おおさそり、まほうつかい、がいこつ、リカント、キメラ、よろいのきし、ドロル、ゴーレム、ドラゴン、そして、りゅうおう、、、

怖さやグロテスクさもありながら、どこか愛嬌があって憎めないモンスターの数々。当時、剣と魔法もののファンタジーの絵は、海外のイラストレーターか、その影響を強く受けたいかついものが多く、子供心に取っ付きにくかった。そのため、『ドラゴンクエスト』のモンスターたちのファンシーさには即座に惹き付けられたのである。

もちろん、『ドラゴンクエスト』は、当時の子供たちにとって、シナリオもゲーム性も全くもって新しかった。「にじのしずく」を手に入れるための謎解き。洞窟の中の「ローラひめ」の救出と「さくやはおたのしみでしたね」。結構泣かされた「ふっかつのじゅもん」の書き写し間違い。何度も挑んでは敗れるりゅうおうとの闘い。

ゲームと言えばアクションやシューティングが主だった時代に、RPGがまさに燦然と現れたのである。その衝撃は未だに覚えている。ちなみに当時、親にねだり続けてようやくファミコンソフトを買ってもらえる機会が生じ、『魔界村』と『ドラゴンクエスト』のいずれかの選択を迫られたが、『ドラゴンクエスト』を選んで心底よかったと、今でも思う。

周知のとおり、『ドラゴンクエスト』はその後、『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ』と続き、僕ら当時の子供たちの脳を焼きながらシリーズを続け、大人となった僕らをも魅了し続けている。

その意味では、子供心の『ドラゴンクエスト』と鳥山明氏のキャラクターデザインは、日本人のファンタジー観やRPG観を築いた源泉の一つと言っても、過言ではないだろう。その影響は、もはや潜在意識に刷り込まれており、抽出するのが難しいとすら言えるのではないか。

さて、僕らが生きてる現実には、教会も、ザオラルもザオリクも無い。死んだ人が生き返ることは無いのである。しかし、鳥山明氏が生み出した作品は、今、世界各国で生きている人々の心の中に生きているし、それに心動かされた人々が、更なる思い出や物語や作品を紡いでいくことになるのは確実だ。

様々な国の人々に楽しみを与え、人の心を動かし、新たな作品を生む原動力となったであろう鳥山明氏の業績は果てしない。

なまじな外交会議や経済支援よりも、鳥山明作品の方が、海外の人々の架け橋になっていることもあろう。また、人類への影響力として、後世、釈迦やソクラテスや孔子やキリストやムハンマドと並べて語られるのではなかろうか。なんて思ってみたりもする。

ともあれ、鳥山明先生の作品はもう見られない。それは確かに寂しいことには違いない。せめて、残された作品をきちんと愛することにしよう。どうか、安らかに。


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