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経済合理性と民主主義の相克?TPPなど貿易自由化の系譜 [経済]

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トランプ次期大統領の発言で先行き不透明になったTPPですが、TPPの経緯も含め、貿易自由化の経緯やそれへの懐疑について解説した記事が分かりやすかったのでシェアします。(末尾参考記事)

自由化というと、規制を無くすことを想定しますが、どちらかというと、規制の共通化・統一化というニュアンスの方がしっくりくるかもしれません。

さて、貿易自由化によって人やモノやお金の流れを円滑になることで、一般論として、経済全体を成長させます。しかし、WTOによる世界全体としての自由化の試みは、国による個別事情の隔たりが大きいことから遅々として進んでいません。FTAなどの二国間協定では交渉国間の力の差が出やすく、かつ国によってルールを変えなければならないことはやはり不便で、限界がありました。

そこで、ある程度限られた国の間で規制やルールを共通化しようというTPPのような考え方が出てきます。

一方、貿易自由化によって、比較優位の観点から国際的な分業が進むことになり、各国内で伸びる産業と衰退する産業がはっきりします。前者の人はよいとして、後者に今属している人は、深刻な不安を覚えることでしょう。また、貿易自由化によって成長した経済の果実が、国内に広く分配されることになるかは不透明であり、格差拡大が懸念されます。

イギリスのEU離脱や、トランプ次期大統領のTPP離脱発言は、このような不安を抱く国内世論を民主的に汲み取ったものと考えられるでしょう。

その意味では、貿易自由化を巡る議論は、経済全体を大きくするための経済合理性と、経済の果実を各国内で分配する民主政治との間で、線引きをどこにするかという議論になってくるのではないでしょうか。

経済全体のために貿易自由化を推進しても、それで利益を得る有権者が少なければ、もしくは仮に多くの有権者が利益を得るとしてもそのことが説得できなければ、貿易自由化は各国の民主政治において否定されることになります。しかし、貿易自由化は、経済全体を活性化させる有力なツールであることは間違いありません。

各国国内では、貿易自由化を進めつつ、その果実をいかに国内に広くいきわたらせるか、制度設計と説得が求められているのだと思います。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161204-00000003-wordleaf-n_ame&p=1


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