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記憶今昔牛たん譚 [食べ物系]

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週末土曜日は高熱で寝込んでしまったのですが、食ったのが温めた冷麦だけだったせいか、 うつらうつらしながら食い物のことを思ってしまいました。

で、牛たん。

一応仙台出身なので、話のまくらに牛たんを振られることは多いのです。ただおそらく牛たんを家で食う人は仙台でほとんどいないと思います。家で炭火起こさないし。 そういう意味では、名物といっても、西のお好み焼きやたこ焼きとは異なる感じ。

初めて牛たんを意識して食べたのが、おそらく小学校の低学年のときでしょうか。仙台の老舗有名店に連れられたのですが、あまりいい印象はありません。

大ぶりな分厚い牛たん焼きは子供の顎には疲れるし、付け合せの唐辛子の味噌漬けは辛くて食えない。かろうじてのテールスープは、まずくは無いがというくらい。まあ、子供だからカレーやハンバーグの方が美味いわけで。 ついでに言えば、店の人がなんか行儀とかうるさくて、テンション下がりっぱなしだった記憶が残っています。

それから、年が経つにつれ牛たんを食べる機会がちらほら出てきて、店によって本当にもの凄い差があることがわかってきました。また、決して安くない。嫌いではないけど、そんなに食べるものでもないわな、という認識です。

それが数年前、たまたま仙台に帰ったとき、興に乗り、子供のころ連れていかれた老舗有名店にふらりと入ってみました。相変わらず繁盛していて、喧騒の中、牛たんの焼ける匂いが香ばしく、待ち遠しく感じます。

待つことしばしで現れる定番の一式。麦飯、テールスープ、そして唐辛子の味噌漬けを添えた牛たん焼きですな。

分厚い牛たんにかぶりつくと、まず炭火の香気が広がり、頃合のよい焼き加減の高密度の肉感を噛み締めれば、都度弾けるように旨味を放出する。喉の奥に旨味と香りを残しながら胃袋に落ちていきます。これは確かに飯に合うし、唐辛子の味噌漬けも牛味からの箸休めとしてよい。澄んだスープは締めるのにもってこい。

なるほど、美味い。そしてこの一式は、小宇宙としてそれなりに完成しています。こうして改めて、牛たんを見直した次第なのです。

大人になれば生きることの苦しさが日々立ちはだかるけど、子供のときに若すぎて何だか分からなかったものの良さも分かるわけで、禍福は糾える縄の如しだわなあと思う、発熱の床なのでありました。




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タグ:仙台 牛たん
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