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戦後民主主義は敗北したのか?とある書評から。 [その他]

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いわゆる戦後民主主義について、田中角栄氏と丸山眞男氏という二人の言動を軸に解説した本の書評をシェアします。

【参考記事】
http://blogos.com/article/165293/

安倍首相の「戦後レジームからの脱却」などの発言から、近年旗色の悪い戦後民主主義ですが、その根本には、大東亜戦争の反省に立った、平和主義、公共の精神、弱者保護の考え方があったとのこと。田中氏と丸山氏、バックグラウンドや活躍した領域は違えどそのような思いに共通点があったと指摘し、昨今の戦後民主主義批判に対して強く反論をしています。

政策的には、田中氏が高度経済成長の果実を地方や弱者に分配する仕組みを作ったことは画期的だと思います。一方で、その仕組みがあまりに強固だったため、既得権化した非効率な分配を是正できず、日本全体として稼ぐ力を伸ばせなかったことが、いわゆる失われた20年の背景の一つだったのではないかと考えられます。

また、田中氏の日中友好は大きな外交的成果ですが、改革開放前の経済的に停滞した当時の中国と、軍事力を背景にした既成事実で海洋や国境に関するルール変更を迫る現在の中国と友好関係を結ぶのは、別の困難があります。

もちろん、戦後民主主義の掲げた平和主義や弱者保護などの理念は、それ自体として否定すべきでないでしょう。ただ、それらを具体化する政策は、時代によって変わり得るはずです。戦後民主主義が批判されるとするならば、その理念ではなく、擁護論者の唱える政策の硬直性にあるのではないかと思います。


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