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ブラック企業と日本の雇用慣行 [労働]

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違法な長時間労働や不合理なノルマ、パワハラなどが横行するいわゆるブラック企業の解説記事が面白かったのでシェアします。

【参考記事】
http://toyokeizai.net/articles/-/105353

その背景として指摘されるのが、日本的雇用慣行。特に、世界にも珍しい、職務と責任の範囲が限定されない雇用契約です。これにより、会社は労働者に対して労働時間も含め、非常に広範な指揮命令権を行使できることになります。

その見返りとして、企業は労働者に適正な賃金と雇用の保証を提供してきました。ところが、ブラック企業においては後者の見返りが抜け落ちてしまった、とのことです。

記事によれば、悪平等ではなく労働者の階層を認めることを提唱しています。責任や職務範囲が限定されない経営層やその候補者層と、法律上保護すべきその他一般の労働者層を分けるべきとのことです。

相互の流動性さえ確保されれば、労働者の「階層」自体は賛成です。ただ階層以上に重要なのは、そもそも契約と言えるかどうかが微妙な雇用契約慣行でしょう。雇用契約は、職務範囲などの権利義務についてきちんと説明を受け理解した上で合意する、ということが実務上少ないのではないでしょうか。

被雇用者の立場の弱さや企業の実際の業務に関する情報不足を鑑みると、それは不動産賃貸や自動車売買などのような通常の意味での契約とは言えません。

単に労働条件を法で規制するだけでなく、雇用をいかに契約に近づけるかが、ブラック企業問題を解決するカギになるのではないでしょうか。



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