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中年漢の一人暮らしざっくり家飯、豆油肉 [日常]

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酒を飲むにはやや体調がよくなかった週末会社帰り、最寄り駅の改札を出たところで、ふと、邱永漢氏のエッセー「食は広州に在り」を思い出したのです。豆油肉(タウユウバア)をやってみたくなって。

そこで、ふだんはほぼ乾麺と乾燥ワカメしか買わないはずの近所のスーパーにて、 ネギと椎茸、そして三割引となっていた豚バラの塊を購入しました。 「食は広州に在り」から、レシピを引用すると以下のとおり。

『この肉を三切れか四切れの塊に切って、丸のまま鍋に入れる。別に葱の白い所を三、四本、四、五寸の長さに切ったものをぶちこむ。これに醤油と水を半々の割合で加え、とろ火で何時間でも気長に煮るのである。 』

終了。正直、雑です。

でもこれなら、料理経験がほぼない自分でもできようというもの。 人に食わせるものでもないし。

で、部屋に帰り、いつもは麺を茹でる鍋に肉塊を捻じ込み、適当に切ったネギを入れ、ついでに椎茸を放り、水と、醤油代わりに、あまり使ってなかった麺つゆをどぼどぼと。 米も炊いておきます。

あとはコンロを弱火にして放置。本を読んだりネット見たりのなんだらかんだら、しばらくすると、煮立った麺つゆと豚の臭いが部屋を満たします。

ときおり鍋の様子を見ると、黒々と煮立つ汁に漬かる茹で肉の塊と飴色ネギ。一種ふてぶてしさすら感じます。人に食わせるものでないし、面倒なのであく取りもせず。

三時間ほど煮てみて、ちょいと突付いてみることに。肉塊を削ると、匙でもどうにか、 繊維がほぐれる。とりあえずいいかも。 炊けた白飯を軽くよそい、肉片とくたびれたネギと椎茸を乗せ、煮汁をふりかけます。

なにせ部屋で料理なんてほぼ初めて。醤油じゃなくて麺つゆにしたし、あくもとってないし。。。

おっかなびっくり食らうと、、、なるほど、、、麺つゆと豚肉とネギの味。

全然食える、というかむしろ白飯にかなり合います。いささかしょっぱくてかなり脂っぽいのも、ジャンク感があって悪くない。肉よりもむしろくたびれ不貞腐れたようなネギが美味い。 椎茸も汁を吸っていい感じ。 二口ほどの白飯は高速で消えました。

どうにかなるもんですな。

結構量が残りましたが、この豆油肉、『便利なことは食べ残したものを何度も煮なおしているうちにしだいに味が濃くうまくなっていくこと』らしく、数日は、けじめなく楽しめそうです。

脂ものの片付けが面倒な気もするが、まあ、そこはご愛嬌でしょ。

ちなみに、壇一雄氏の「壇流クッキング」では、『いわば、手いらずの、台湾おでんだ』などと紹介されていましたが、おでんの繊細さに比べるのは、やや申し訳ない感じすらします。

でもまあ、ざっくりなものでも、時と場合と気分によっては、凝りに凝った一品よりも心に刻まれることだってあるのだから、なべて物事は馬鹿にならないもんだなあと思った、冬の中年独り飯でした。

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*画像はイメージです



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