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長時間労働で損なわれるものは何か?個々の悲劇と社会的損失 [労働]

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長時間労働を題材にしたyahooの特集記事です。いわゆるブラック企業批判などから、違法不当な長時間労働が注目されるようになりましたが、過労死や過労自殺は必ずしも減少しておらず、過酷な状況で働かざるを得ない人は存在するようです。

【参考記事】
http://news.yahoo.co.jp/feature/92

このような背景の一つには、企業の設備投資や従業員教育への投資の不足などによる低い生産性を労働者の長時間労働で補うことが企業経営のルールとして合理的だったこと、もう一つは、雇用契約が不動産や自動車の売買のような通常の意味での契約とする考え方が労使ともに希薄だったことがあると思います。

その結果、長時間労働を前提とする労働関係が、お互い(特に労働者)に明示されずに成立しているのではないでしょうか。

過労死や過労自殺は、本人という熟練労働者を失うのはもちろん、家族にとっても悲劇であり、しかも働き手を失い貧困に陥る可能性もあります。また、死に至らなくても、長期間の療養を必要とすればその間仕事が出来ず、経験も積めないことから、個人のキャリア上も、労働力の生産性向上からも、世帯の貧困の点からも問題です。

過労による心身の故障や過労死を防ぐことは、個々の悲劇や貧困を防ぐと同時に、少子高齢化でこれから減少する日本の労働力の質と量を守り、高めることにつながります。その意味では、優れてマクロ的、政治的な課題と言えるでしょう。

もちろん、一部の研究職や専門職のように、必ずしも時間で労働を測れない仕事もあります。しかし、それらの職種は、概ね収入面の待遇がよかったり、社会的地位が高かったりするなど、本人が希望ないしはその旨に合意している場合が多いはずです。

人件費のコストは、企業にとって頭の痛い問題だと思います。しかし、日本には、もはや過労による心身故障やそれに起因する死で無駄にしてよい労働力など無いという冷徹な現状から制度設計をすべきなのではないでしょうか。

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*参考記事より


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