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正義感の発露か?それとも単なる「私刑」か?川崎市の中学生殺害事件について

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川崎市で13歳の男子中学生が殺害された痛ましい事件。その被疑者として未成年者3名が逮捕されました。

本件、殺害現場への献花が絶えない一方、被疑者である未成年者たちに対しては、逮捕前から、個人を特定される写真や自宅の画像などがインターネット上でアップされ、憤りの声が相次ぐなど、事件への関心の高さを伺わせます。

もっとも、被疑者に対するネット上での非難に対しては、いわゆる「私刑」などと批判する声もあり、名誉棄損などの刑事責任や、プライバシー侵害の不法行為として民事責任が発生しうるとの専門家の指摘もあるようです。ともあれ、被害者の方を悼む気持ちや、犯人、犯行を憎む気持ちは、おそらく、多くの方々が共有できるものでしょう。

ただ、インターネットという不特定多数を対象としたツールで他罰的な行動を取らなくても、悼む気持ちや憎む気持ちの共有は、可能だと思います。正義感がきっかけであろうと、自分が責任を問われる可能性が無い(もしくは少ない)と信じ得る匿名性の高い状況で、そうでなければ行わないような他人を罰する目的の行動には、個人的には賛同しがたいところです。

また、未成年による事件が発生するたびに、少年法改正の声があがります。確かに、残酷な犯行を犯した少年に対する現行の刑事司法制度が、絶対に正しいわけではありません。主に要保護性で判断される事実認定や処分内容判断のあり方、保護処分(実質的に自由を拘束する処分に対し、「保護」といういい方は個人的には違和感アリです)の内容、少年刑務所の実際の運用など、少年手続きには多くの疑問があります。

とはいえ、法改正の議論の前提は、事件に関する適切な情報のはずです。事件は、被疑者が逮捕された段階にすぎません。捜査や公判(もしくは少年審判)などにおいて、今後明らかになる事実もあるでしょう。

現時点では、本件に関して少年法改正を主張したり、インターネット上でのいわゆる「私刑」に走ったりする他に、静かに被害者を悼み、手続きの推移を見守るという選択肢もありうるのではないでしょうか。



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