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思い出、ミシュラン二つ星のレストラン [食べ物系]

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新型コロナで鬱々としてる時期だし、昔の思い出をサルベージする。

6~7年前のことだろうか。

当時仕事上でおつきあいのあったY氏(当時、某IT企業法務部長)に、都内にあるミシュラン二つ星シェフの某フレンチレストランで、ごちそうになってしまったのである。

50代のY氏と30代のそれがしのメンズ二人。No女子。

何かいろいろ料理とかワインが出て、お互い四方山話をしつつ、とても楽しい時間だった。それにしても、食べ物に関し、人間の欲望は深いもんだと改めて痛感してしまう。

例えば、アミューズの次に出た牡蠣。

岩海苔のムースの上に生牡蠣をのせ、柑橘系のジュレをかけ、岩海苔を散らす。牡蠣と言えば、採れたての生牡蠣にポン酢かレモンが最高だと思っていた。

しかし出て来た料理は、牡蠣とポン酢の美味さをそのままに、らくらくとその上を行く味覚の記憶を振りかけてきた。

そして例えば、鮎。

鮎など、一匹丸々塩焼きにするのがベストだと思っていた。それがだ。身はムニエルで、腹には鮎の臓物で作ったソースをつめ、頭と骨は揚げられ、添え物になっている。

確かに、身の美味さと骨や頭の美味さを発揮する火の通し方は違うはずだが、鮎の美味さにかまけて、意識に上らなかった。やられた。

他にも色々あるのだが、割愛。

なるほど、慣れ親しんでるはずのシンプルにして至高なる日本の大いなる調理法は、素材の良さに溺れ、実は大いなる倦怠の中にあるのかもしれん。むむむ。

一皿一皿に、「美味いものを、もっと美味いもの」をという、求道的なものを感じるのである。詳細省くが、もちろん、ワインとチーズも大変すばらしかった。といっても、堅苦しくはなく、しっかりくつろげる空間なのは不思議。酒の力か何なのか。

7月に生まれた子供の写真をにこやかに紹介しながら、

「ここは、ウチの妻も気に入ってる店でね。キャバ嬢なら、この数ランク下の店でも楽しんでくれると思う。でも、今日は坂本さんをつれてきたかったんだよ。わかると思ってさ!」

などとのたまうY氏。心憎い。

「私は勉強頑張ったから、今更子供が勉強できないとか、かんがえられない~」

などと、子供の教育などについて語っている隣のテーブルの女性たち(といってもそれがしくらいだろうな)の会話は、いささか興ざめだがまあご愛嬌。

美味さと、酔いと、しびれと、そこはかとない敗北感。

今度はY氏を接待したおしたいものだ、などと感じたある夜の一コマ。とはいえ、数年たった今でも、Y氏をもてなせるような身分には一切なっておらず、忸怩たるものを抑えきれない今日この頃なんであった。




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