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気持ち的には「マジメにやれよ・・・」か。ヘリパッド建設と「土人」発言について。 [政治]

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派遣された大阪府警の機動隊員が、沖縄県北部のヘリパッド建設に反対して抗議する人々に対して「土人」など差別的な発言をした件、官房長官も会見で「不適切」と述べるなど、大きな問題になっています。

報道やインターネットのニュースなどでは、老若問わず建設に反対する人々の過激な行動や、それに対する警察の実力行使など、現地の状況は緊迫しているようで、警察および反対派双方がストレスを抱え、ピリピリした状態になっていることが想像されます。

まず、公的な立場で、しかも職務において差別的な発言をした機動隊員は、非難に値すると思います。もちろん、反対派の人々による過激かつ挑発的な行動が続くストレスフルな環境であったことに、同情の余地はあるでしょう。

しかし、どんなに差別的な思想を持っていようが、それを不適切な場所で表現してしまうのは少なくとも職業人としては、褒められる行動ではないはずです。

機動隊員の発言は、警察やヘリパッド建設のイメージを悪化させたという意味で、できるだけヘリパッド建設への支持を繋ぎ止めたいという政府の意向に対し、目的合理性を欠いたと言えます。

一方、反対派の方々はこの騒動から何を得たでしょうか。今回の差別発言に関し、当該警察官の非難に賛同する人はいるとしても、建設反対を支持する人が増えるとは、正直思えません。

ヘリパッドの建設自体は現在のところ合法であり、抗議行動による妨害は、業務妨害罪など、犯罪になりえます。抗議行動の態様によっては、道路交通法違反など、別の法令違反を犯している可能性もあるでしょう。

このような妨害行為に対しては、沖縄の事情を考慮してもなお、違和感を覚える人の方が多いのではないでしょうか。

実際、抗議行動においては、高齢者や女性を前面に出す様子や、車両の下などに敢えて入り込む人の姿がWebなどで上がっています。それらを見ると、抗議行動に対処する警察などのイメージ低下を図るとともに、個人のナルシシズムの満足と、ヒロイズムによる反対派内の団結を確保する戦略なのだと、いささか穿って考えてしまいます。

しかし、警察のイメージが悪化したとしても、反対派内の結束が固まったとしても、それでヘリパッドの建設阻止に人々の支持を広げられないのならば、その戦略は失敗であり、やはり目的合理性を欠いた行為と言えるでしょう。

結局、今回の騒動の後に残るのは、警察のイメージ悪化と、抗議行動に対する違和感の継続です。それは、当事者の真剣さやストレスフルな状態にも関わらず、部外者にとって、どこか白けた思いを感じさせます。

その思いの底にあるのは、警察も反対派も目的合理性を欠いた行動を取っていることからくる、「マジメにやれよ・・・」という呆れにも似た気持ちでしょうか。

一方で、沖縄の基地負担軽減や、日本の防衛体制における在日米軍の役割の検討は、それこそマジメに取り組むべき問題です。

警察は、現場の警備に対して職業人として誇りをもって対応すること、そして反対派はヒロイックな抗議行動だけでなく、支持獲得のために、多くの部外者を啓蒙し説得することが求められているのではないでしょうか。

【参考記事】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161019-00000005-jct-soci



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