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芳醇な生の賛歌。筒井康隆『聖痕』 [読書]

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筒井康隆の小説、『聖痕』を読んでいました。

幼い日暴漢に襲われ、陰茎と陰嚢を切断された美少年が主人公。陰惨にしてショッキングな発端に心を鷲づかみにされ、一気に読み通してしまいました。

主人公の成長が物語の軸ながら、オイルショックからバブル崩壊、東日本大震災まで背景に流れる様々な歴史的事件や、主人公を中心とする家族、友人、その他男女様々な人間関係のドラマが、古今とりどりの日本語を駆使した贅沢かつ豪奢な文体で語られています。

あらすじは書籍紹介を参照いただくとして、この物語から、個人的には、食、そして性を中心とした、絢爛にして芳醇な生への賛歌を強く感じました。

筒井氏と言えば、『嘘人たち』や『夢の木坂分岐点』など、様々な実験的な小説で知られていますが、単行本刊行時の筒井氏は、79歳。最晩年といってもいいこの時期のこの仕事の密度に、改めて驚いた次第です。

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