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関係者がまじめで能力があるから?日本のプロジェクトが失敗に終わる理由 [その他]

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中国の古典「戦国策」に、こんな話があります。
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北へ向かって馬を進めている人が、自分に、

「私は楚の国へ行くところです」

と言いました。

「楚は南なのに、どうしてあなたは北へ向かうのですか?」

と尋ねると、

「私の馬は駿馬だから大丈夫」

と答えます。

「馬が駿馬でも方向が違うから楚には行けませんよ」

と言っても、

「旅費をたくさん持っているから大丈夫」

とのこと。

「旅費がいくらあっても道が違います」

と言っても、

「私は馬乗りの名人だから大丈夫」

と答えます。よい条件がそろえばそろうほど、楚はそれだけ遠くなるのです。
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日本政府が支援する研究プロジェクトが、学術的にはともかく、事業化されない、もしくは日本の産業競争力強化に結びつかない背景を指摘したコラムを読んで(末尾参照)、ちょうどそんな戦国策の話のような印象を持ちました。


筆者は半導体生産を例に取り、すでに多くの日本企業が撤退し、技術上の問題だけではなくなっている分野に関しても多額の研究投資が行われる背景を、企業側と官庁側の双方の視点から検討しています。そこには、生き残りをかけて技術の重要性をアピールする研究者と、「国民の声」を拾い上げようとする官庁、政治側の不幸な一致があるようです。

引用すれば、『民間企業、役所、政治家がそれなりに真面目に仕事をした結果、間違った政策が実施されている場合も多いのではないでしょうか』、という指摘になります。結局、関係者が自己の職務にまじめであればあるほど、そして能力があればあるほど、全体最適から見た資源配分が歪んでしまうというジレンマに陥ってしまうわけです。

おそらく、日本の多くの分野で、これに似た事態が生じていると思います。かつての経済力を失った日本にとって、資源配分を誤る余裕は無いはずです。企業、政府、与党それぞれで、全体最適にそぐわない大きな声を排除する、嫌われる勇気が必要なのかもしれません。

【参考コラム】
http://blogos.com/outline/166758/


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