SSブログ

共謀罪に関するメモ [政治]

スポンサーリンク




パリ同時テロに関し、日本での共謀罪の設立について議論が再燃しています。

ちなみに、共謀罪とは裁判例で認められている共謀共同正犯論とちょっと異なり、具体的な正犯行為が無くても、それを目指した共謀の段階で処罰対象とするもの。

例えば、皆で計画を立ててテロを起こした際、共謀共同正犯では、テロの実行犯だけじゃなく、計画段階のメンバーもテロ行為で有罪に。一方共謀罪では、現実のテロ行為をしてなくても、 具体的なテロ行為の共謀が認定されれば、一緒に計画した人々皆が摘発されることになります。

個人的には、テロ対策では共謀罪はあった方がよいと思っています。

主な理由は、
 ・他の犯罪と比べテロには「絶対阻止」の要請が強いこと
 ・テロをできるだけ「犯罪」の領域で考えるべきだと思うこと
 ・国際的な協調を図るべきだと思うこと
の3点です。

現在、殺人事件で年間1,000人くらいが亡くなっているそうです。それは個々の悲劇で あるとしても、日本の社会システム全体への影響は大きくありません。しかし、オウム事件のように、テロ行為による悲劇は社会的に蓄積され大きな政治的反動をもたらします。したがって、抑止の必要性は他の犯罪よりも高く、できるだけ早めの介入が求められると思います。

また、テロには「戦争」という側面と「犯罪」という側面がありますが、アメリカの「対テロ戦争」がテロ被疑者とされた人への法を無視した深刻な人権侵害をもたらした反省があります。 その意味では、可能な限りテロを「犯罪」のスキームで扱い、法の下での裁きを優先させたほうがいいと思います。そのためには、法の元で、捜査機関に現状より強い武器を与えるべきです。

3つ目は、国際条約の批准に共謀罪が要件となっていること。日本は「対テロ戦争」に正面 きって軍事協力をすることが難しい以上、それ以外の点で協力や協調を惜しむべきではないと思うからです。

もちろん、共謀罪の具体的な構成要件の定め方にもよりますが、かつて反対の方が主張された、「あいつムカつくからなぐろうぜ!」「そーだそーだ!」みたいな飲み屋の会話は、誰が見ても該当しないように定めることは可能でしょう。

日本で国際テロが起こってからでは遅いし、また、テロが起こって日本国民の世論が一挙 に排外的に変わることのほうが、なお恐ろしいと思います。そういった懸念の一つの緩衝材として、共謀罪を考えるべきだと思うわけです。




スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました